徹底比較!クレジットカードキャッシングとカードローンの違い
お金を借りるにはカードローン以外に、クレジットカードを使ったキャッシングという借入方法もあります。
両者にはどのような違いがあるのかを、項目別にまとめました。
使用するカードの違い
クレジットカードのキャッシング:ショッピングにも使えるカード
クレカのキャッシングは、本来物品の割賦購入(かっぷこうにゅう)を目的とした、クレジットカードのキャッシング枠を活用してお金を借りる仕組みです。
キャッシングの利用枠は、申し込みの際に一緒に申請する(付いてくる)場合が多く、審査に通ればキャッシング可能なクレジットカードが発行されます。
後日、申し出ればキャッシング枠をなくすことも可能ですし、中には初回申込時にキャッシング機能なしで契約できるケースもあります。
キャッシング枠の有無や利用限度額は会員ページや電話で確認することができます。
カードローン:カードローン専用のローンカード
カードローンは借り入れだけを目的とした、ローン専用のカード契約です。
初回申込時に行われる融資審査に通れば、契約後は限度額の範囲内で何度でもお金を借りることができます。
契約時に発行されるカードを利用して、全国のコンビニATMなどで借入れと返済ができるほか、カードが無くても振込融資やスマホアプリによるキャッシングが可能になっています。
限度額(利用可能額)
クレジットカードのキャッシング:ショッピング枠を含めて10~50万円程度
クレジットカードのキャッシングの限度額は、総限度額が設定されています。
総限度額(利用可能枠)は、ショッピング枠とキャッシング枠を合計したカード全体での利用限度額であり、個々の限度額よりも優先される仕組みになっています。
例えば総限度額が50万円でキャッシング枠が20万円で設定されている場合、すでにショッピングで40万円使っていると、キャッシング可能額は10万円までとなってしまいます。
キャッシング枠いっぱいの20万円を利用金額とした場合、ショッピングは30万円までしか利用できません。
クレカはメインがショッピング機能のため、キャッシング枠よりはショッピング枠の限度額の方が大きく設定されています。
カードローン:銀行と消費者金融で違いあり
消費者金融
総量規制の対象となる消費者金融では、他社借入分を含めた借入総額が年収の1/3を超えない範囲に制限されます。
限度額は利用者の借入状況や返済能力などを考慮して設定されるため、審査次第ではもっと低くなることもありますが、最高でも年収の1/3までの限度額になります。
複数社の借入れを一本化するおまとめローンには、総量規制の例外となり年収により制限はありません。
銀行カードローン
総量規制対象外である銀行カードローンは、年収などの制限なく金融機関側が審査で決定していました。
しかし近年は銀行カードローンの過剰融資が問題視されていることから、消費者金融だけでなく、銀行も自主規制により総量規制に沿った限度額設定を行う傾向にあると言われています。
銀行カードローンは総量規制対象外であるため、あくまでの銀行側の自主的な判断となり、年収の1/3までしか貸してはいけないという決まりがあるわけではありません。
返済日(約定返済日)
クレジットカードのキャッシング:翌月一括または月1回の引き落とし
毎月の返済日に、指定した銀行口座から自動引き落としされます。
返済日は各クレジットカード会社で決まっており、契約者が変更することはできません。
カードローン:契約者が選べる場合もある
カードローンの返済日は、主に下記の4パターンがあります。
- 返済日が決まっている
- いくつか指定日から選択できる
- 月内で好きな日を選べる
- 35日毎のサイクル制
イオン銀行カードローンは毎月20日・みずほ銀行カードローンは毎月10日など、返済日が指定されていて変更は不可。
三井住友銀行カードローン・プロミス・SMBCモビットは毎月5日・15日・25日・月末から選べます。
三菱UFJ銀行カードローン バンクイック・アコム・アイフルは35日毎、好きな日どちらでも選べます。
カードローンの方が、返済日に柔軟性があるところが多いのが特徴です。
返済方法(返済方式)と返済額
クレジットカードのキャッシング:翌月一括またはリボ払い
基本的には翌月一括払いですが、最低支払額が毎月1万円ずつなど借入残高に応じて一定額の少額返済をするリボルビング払いが選択できます。
お財布に余裕があるときは、コンビニ提携ATMで追加返済(臨時返済)が可能です。
最低返済額は10万円借りた場合、3,000円~1万円程度。
クレジットカード会社によって幅があります。
カードローン:基本はリボ払い
カードローンも、基本的にリボ払いとなります。
一括返済する場合は、金融会社に問い合わせるか会員サイトで支払額を確認しなければいけません。
また、追加返済することも可能です。
10万円を借りた場合の最低返済額は、銀行カードローンで2,000円~1万円。
1万円のところの方が少なく、2,000円のローンもあります。
消費者金融は4,000円~5,000円が平均です。
借入までのスピード
クレジットカードのキャッシング:必要な時すぐにキャッシング可能
すでに手元にあるクレジットカードを利用すれば、コンビニなどに設置されている提携ATMでいつでもキャッシングすることができます。
また振込みによるキャッシングが可能なクレジットカードもあり、ネット上の会員メニューで申込みすれば指定口座に振り込んでもらえます。
ただし、クレカの振込キャッシングは原則として銀行の営業時間内のみの実施となるため、時間によってはすぐに入金が反映されないこともあります。
カードローン:初回申込では審査時間が必要となるが即日融資OKもあり、契約済みならすぐに借入OK
カードローンでは初めての申込みに際して審査と契約が必要となります。
銀行カードローンでは早くても翌日以降の審査回答となってしまいますが、大手消費者金融であれば申込から最短1時間ほどで借り入れできる可能性があります。
すでに契約が済んでおり、ローンカードが手元にあればコンビニ提携ATMで24時間借りられます。
利息
クレジットカードのキャッシング:15.0%~18.0%が一般的
カードローンに比べると高めに設定されているところが多く、18.0%が主流です。
カードローン:3.0%~18.0%前後
銀行カードローンは最高金利が14%台も多く、クレジットカードのキャッシングよりも低金利で借りられます。
消費者金融はクレジットカードのキャッシングと同程度の18.0%が主流。
カードローンの金利は限度額によって決まるシステム。
限度額が高い人ほど低金利で借りられますが、最初から高額な限度額が設定されることはほとんどないため、初回は最高金利で借りることになります。
延滞利息
クレジットカードのキャッシング:18.0%~20.0%
利率は利息制限法で、最高でも上限20.0%までと決まっており、上限いっぱいまでに設定している会社が多くあります。
中にはキャッシング借入時と同じ利率に設定しているクレカもあります。
カードローン:14.0%~20.%
消費者金融は、遅延損害金の利率として設定可能な上限の20.0%が一般的です。
銀行はギリギリ20%を切るところと、借入金利と同じ、借入金利に2.1%増しなど、金融機関によって若干差があります。
銀行カードローンの方が消費者金融より少し低い程度です。
ATM手数料
クレジットカードのキャッシング:借入のみ有料
ATMでの借り入れした場合、借入金額によってATM利用手数料が異なります。
・1万円以下:110円(税込み)
・1万円以上:220円(税込み)
返済は口座引き落としなので、無料です。
自社ATMでは借入・返済共に手数料は無料です。
カードローン:無料・有料どちらもあり
消費者金融はATM手数料がかかることが多く、銀行カードローンは手数料がかかる銀行とかからない銀行があります。
借入・返済共に、利用額によって手数料が違います。
・1万円以下:110円(税込み)
・1万円以上:220円(税込み)
自行の銀行ATMでは手数料は無料で、最近では手数料無料の銀行カードローンが増えています。
クレジットカードのキャッシングとカードローン、どっちがいい?
お金を借りるならカードローン
現金を借りるならカードローンの方がおすすめです。
専業主婦はクレジットカードのキャッシング枠が利用できません。
(貸金業法の総量規制で定められているため)
銀行カードーンなら、旦那(配偶者)に安定収入があれば専業主婦自身が申込者となることができ、借入できます。
くわえて、銀行カードローンは低金利で借りられ、支払う利息も少なくて済むのがうれしいポイント。
クレジットカードでもカードローンでも、いきなり高額の借入限度額は得られません。
クレジットカードはショッピング枠とキャッシング枠が連動しているため、ショッピング枠を使いすぎるとキャッシング枠が小さくなってしまいます。
その点カードローンなら、決まった上限額がすべて。
返済日が選べるローン会社も多く、提携ATM手数料が無料の場合もあり、利用者が借りやすく返済計画が立てやすいシステムが整っています。
カードローンのマイナス面として挙げられるのは、ローンカードの存在です。
クレジットカードは持っているのが当たり前、数枚持っていても怪しまれることはありません。
カードローンのローンカードはお金を借りる専用のカードのため、知っている人が見るとお金を借りていることが分かってしまいます。
しかしローンカードなしで、アプリを使って提携ATMから借りられるカードレスサービスもあり、大きなマイナスにはなりません。
ショッピング・海外旅行にはクレジットカード
クレジットカードはそのカードでショッピングもできるので、買い物をするならカードローンより使い勝手がいいです。
そしてクレジットカードは海外利用可能。
カードローンは海外では利用できない国内専用のため、外国で現金を借りたいときには、クレジットカードのキャッシング枠利用しかありません。
クレジットカードのキャッシングとカードローンは賢く使い分けを
クレジットカードを使ったキャッシングは、海外での利用目的があるときや、翌月一括返済できる金額を借りるケースに向いています。
すでにクレジットカードを持っていて、一時的に現金をキャッシングしたい場合はクレジットカードのキャッシング枠利用もアリ。
一方、カードローンは元々がお金を借りるためのもの。
金利も低めなので、利息を抑えながら返済完了することができます。
何回も借りるかもしれない、返済日を選びたい、ショッピング枠を残しておきたい場合はカードローンがおすすめです。
クレジットカードとカードローン、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、必要に応じて賢く活用してください。